冷酷姫に溺れて。



入井くんの話によると、ご両親は旅行に行っていて、妹さんは友達の家でお泊まり会をしているそう。


「ごめん。嫌だよね。
私なんかと二人なんて」

「全然いいよ!」

入井くんは優しいな。

「じゃあ、付いてきて!」

「うん」

というか、家ってどこにあるんだろう。

入井くんの家は学校近くの洋館だった。

この洋館、入井くんの家だったんだ。


「素敵な家だね」

「ありがとう」

いかにも吸血鬼が住んでそうね。

興味津々にきょろきょろしていると、入井くんに笑われた。

「霜月さんって可愛いね」

「か、かわっ!?」

「あ、いや…行動が、ね!」

「ありがとう……」

もう惑わされないんだから!

「好きに動いていいよ。俺は料理作るし」

「ありがとう」

私は洋館を探検した。

ドレスルームみたいなところにゴスロリのドレスが飾ってあった。

素敵……。

着てみたいな。

って、ダメダメ。

人の家の物だし、リビングに戻ろう。


「うわぁ!」

入井くんはオムレツを作ってくれた。

「ごめんね。これぐらいしか出来なくて」

「私の方こそ突然押し掛けてごめんなさい。
でも、入井くんがいてくれて本当に助かった。
ありがとう」

私は微笑んでみせた。