冷酷姫に溺れて。



そんなことを考えながら廊下を歩いていると、先輩とすれ違った。

すれ違う時に紙を渡してきた。

私は後から、渡された紙を見た。


『話したいことがある。
放課後、生徒会室に来てくれ』

今朝のことかな。

聞きたいような聞きたくないような。

すごく複雑な気持ちになった。



昼休みが終わると午後の授業はあっという間に過ぎていく。

ついに来ちゃったな。

私は生徒会室に入ろうと、扉に手をかけた。

「ねえ、霜月さんと付き合ってたってほんと?」

副会長の声だ。

「本当だよ」

「二股とか信じられない!
どうせあの子にたぶらかされたんでしょうけど」

私、たぶらかしてない。

「そうだね。
僕は君だけを愛してるから」

「だよね」

二人は何度も何度もキスを繰り返していた。




私は走って屋上に行った。

私、やっぱり遊ばれてたんだ。

裏切られたんだ。

副会長と付き合ってるなら、私の告白を断ればいいのに。

なんで、こんな酷いことするの?