冷酷姫に溺れて。


今思えば遊びだったのかもしれない。


先輩に彼女がいるって生徒会メンバーが言っていた。

でも、私は信じたくなくて。

先輩も彼女がいる素振りなんてしなかった。

だから告白してしまったんだ。



体育祭のあと、私は先輩を生徒会室に呼び出した。

「話って何ですか?」

「私、先輩のことが好きですっ」

ここまで言ったんだ。

最後まで言おう。

「つ、付き合ってください!」

「いいですよ」

え?

本当に?

「よろしく、理紗」

花火に照らされた先輩の顔はとても綺麗だった。

私の名前、呼んでくれた…。

ちゃんと下の名前で呼んでくれた。

こんな人、初めて。