冷酷姫に溺れて。

「私はお裁縫が得意で、よく服を作っています…」

私の好きなゴスロリの服をたくさん作って自分で着てる。

それが楽しくて仕方ない。

「そうなんですか。きっとお上手でしょうね」

「そ、そんなこと、ないです」

そうだよ。

私は誰とも遊べなくて、引きこもってるだけ。

遊べなかったから、お裁縫して、上手くなっただけ。

「こんな私には…それぐらいしかすることがないので」

「そんなことはありませんよ。
霜月さんは綺麗ですし、何より思いやりの気持ちがあります。
それ以上に素晴らしいことなんてないですよ」

そんな風に褒めてくれる人、初めて。

私は昔から何をしても怒られてた。

この高校だって、ギリギリで入って、親に怒られた。

それから見返すためにたくさん努力した。

クラスで一番になりたくて頑張った。

でも、なれなくて。

こんなことを話す友人すらいない私を認めてくれる人がいるなんて思わなかった。


「会長、ありがとうございます」

「霜月さん、笑ってください。
あなたには笑顔が似合いますよ」

そう言ったときの会長がすごくカッコよくて、私は恋に落ちた。