冷酷姫に溺れて。

生徒会の仕事が私を私らしく居させてくれた。



会長を好きになったのは体育祭の準備をしてたときのある出来事がきっかけだ。


私は一人、黙々とプログラムを作っていた。

役員もみんな帰ってしまって、明日の本番に間に合いそうもなかった。

「……はぁ」

こんなとき、頼れる人がいたらな。

「霜月さん、まだ残ってたんですか?」

「…会長」

会長こそ、こんな時間にどうしたんだろう。

「手伝います」

え?

「一緒に仕上げちゃいましょう」

「はい…」

それはそうと気まずい。

そんな雰囲気を察してなのか、話しかけてくれた。

「霜月さんは趣味とかあるんですか?」

「あ、えーと、その…」

上手く答えられない。

「いいですよ。ゆっくり自分のペースで」

「あ、はい」

そんなこと、初めて言われた。