冷酷姫に溺れて。

「今日も一人?隣いいかな?」

食堂で話しかけても全くの無視。

それどころか、逃げられてしまう。

どうしたら心を開いてもらえるだろうか。


会長の前の君のように笑って欲しい―。


そしたら世界は明るくなるし、きっと人生が楽しくなる。

いつもつまらなさそうにしてる顔はもう、見たくないんだ。




「まだ君は理紗に話しかけるのですか?」

「会長…」

そうだよ。

俺は諦めが悪いからな。

「そうですけど、何か文句でもありますか?」

「いえ、青春だなと思いました」

他人事かよ。

仮にもお前の彼女だって言うのに。

「…僕は理紗には君のような人がお似合いだと思いますから」

なんだよそれっ!

俺は会長の胸ぐらを掴んだ。

「いい加減にしろ。
……俺はお前のようなクズなんかに負けないからな」

会長はなぜか笑った。

「…クズになれたら、良かったんですけどね」

なんだこいつ。

俺は会長から手を離すと、教室に戻った。