「お前に報告がある」

光はいつになく真剣な顔だった。

「女子の血、初めて吸った」

は?

「マジで?」

「今の彼女なんだけど、吸っていいか聞いたら吸わせてくれたんだ」

いいな。

早く好きな人の血を吸いたいな。


俺も光も吸血鬼で、血のパートナーを探している。

父さんは割と昔から、母さんという最愛の人の血を吸っていた。

正直、すごい羨ましい。

なかなか吸わせてもらえるものじゃないし。


ましてや、母さんは人間で父さんみたいな珍しい吸血鬼に血を与えることは負担だったはず。

危険を顧みず、父さんに血を与え続けた母さんは勇者だと思う。

お陰さまで今でもラブラブしている。