冷酷姫に溺れて。

「会長……」

会長はいつも通りの笑顔だった。

「さっき図書館にいただろ?」

なんでそれを……。

霜月さんにバレてないよな!?

「大丈夫、理紗は知らないよ」

なんでもお見通しかよ。

「君は理紗のことが好きなんですよね?」

「そんなこと聞いてどうするんだよ!!霜月さんの気持ちは会長にあるだろうが」

「そうですね。でも、確認です」

とんだ意地悪野郎だな。

「……そうだよ。霜月さんのことが好きだ」

「そう」

随分冷めてるけど、本当に付き合ってるんだよな?

「…付き合ってるんですか?」

「はい。ですが、僕は理紗に対する恋愛感情はありません」

どういうことだよ。

「告白されて、別に理紗ならいいかなと思ったんです。
ほら、生徒会長と美少女って絵になるじゃないですか」

理由が最低だな。

「それならなんで、キスなんてしてんだよ!」

「特に意味はないですよ。僕にとってキスは人生経験の一つですから」

なんだよ、それ。

付き合う理由もキスする理由も最低な野郎だな。