「ねえ、おかしくない?
秘密を知って、こっちの立場が弱くなるっておかしくないっ?
あんたたちが頭を下げて、私に黙っててください、すみません、ペコペコって言うもんじゃないの?
なんで私が脅されてんの?」
と花鈴の目線に押されるようにして、ホワイトボードの前まで後退していった詩織が叫ぶ。
「脅してませんよ。
どうしたもんかなあ、と思って、堀口さんの顔を見つめているだけです」
と花鈴は淡々と言う。
その手には、先がちょっと折れて尖った指示棒があったが、決して凶器ではない。
指示棒をおのれの手のひらに打ちつけながら、無言で見つめていると詩織が叫ぶ。
「あんた、私よりデカイから、そうしてるだけで威圧的なのよっ。
私、まるで、弱い犬ほどよく吠えるみたいになっちゃってるじゃないのっ」
う~む。
相変わらず、冷静すぎる分析だ、と花鈴はわめき続ける詩織を眺めていたが。



