ウエディングドレスを着せてやろう

「温泉に行って、美味しいものでも食べたいですね……」

 ぼそりと言ってしまったあとで、ハッとする。

 光一を旅行に誘っているようにも聞こえる言葉だったからだ。

 光一はすぐにノートパソコンを広げ、なにかを調べ始めた。

「お前の好みもわからないし、すぐに答えは出ないが。
 このミッションが終わるまでには、必ず最高の物を用意しよう」

 光一はパソコンの画面を見たまま、そんなことを言ってくる。

「あっ、いやっ。
 やっぱりいいですっ」
と花鈴は慌てて言ったが、光一に睨まれた。

「俺に報酬を与えさせないつもりか」

 どんな脅しだ……。

「じゃあ、あのっ。
 健康ランドでいいですっ、駅前のっ」

 光一が眉をひそめる。