ウエディングドレスを着せてやろう

 花鈴は夢に出てきたウサギを思い出しながら、
「長く荒野をさすらってそうなウサギです」
とその特徴を教えてみた。

「いや、ちょっと意味がわからないんだが……」

 はあ、私もわかりません、と思いながら、花鈴は言った。

「たぶんなんですけど。
 箱の中になにがあるのかなと不安な気持ちと、その不安を落ち着かせたい気持ちが混ざり合って、そんな夢になったんじゃないですかね?

 ほら、ウサギって可愛くてホッとするものの象徴じゃないですか」

「いや、そんなのだったら、パンダでも猫でもいいだろうよ」
と光一は花鈴の妄想にまでケチをつけてくる。

 いや、貴方が花束持って飛び出してきたりもしてましたけどね、と思ったとき、光一が、

「それで箱は開けたのか?」
と訊いてきた。

「いえ」

「何故、開けない」