ウエディングドレスを着せてやろう

 なんで開けてないってわかったんだろうな。

 開けると、何処かの扉が開くとか。

 酔っている花鈴の頭の中では、ウエディングドレスの入った箱を開けると、それと連動して、エジプトで王家の墓の奥にある扉が開いていた。

 そして、何処かの大学教授が光一に電話して、
「ついに扉が開きました」
と言うのだ。

 ……いかん。
 下を覗いたまま、半分寝ていたようだ。

 妄想というより、ほとんど夢を見ている感じだった。

 そのせいか、とりとめがない。

 花鈴はそのままベッドに潜り込む。

 なんで開けてないってわかるんだろうな?

 開けたら、なにかのセンサーが発動する。

 開けたら、自動的に消滅する。

 開けたら、中がびっくり箱になっている。

 なにか驚くようなことが起こって、私が専務に、開けたら、こうなったんですよーっとか言うはずなのに言わないから、開けてないとわかったとか?

 そういえば、本当にこの中にドレスは入っているのだろうか。

 店員さんが入れてるのを見た気はするんだが。

 店員さんがシワにならないよう畳んで入れるのを見ながら、大きく広がるタイプのドレスじゃないから、意外に箱、小さいな、と思った記憶がある。

 箱を開けたら……

 なにが出てくるのかな。

 専務が花束とか持って出てきたりしたら、一番ビックリするけど、と珍しく乙女な妄想をしながら、眠りに落ちる。

 さっき、専務を彼氏と偽ってしまったせいかもしれないな、と夢の中で思っていた。