ウエディングドレスを着せてやろう

 


 失礼します~とあっさり自分の提案を飲み、花鈴が出ていくのを光一は見ていた。

 そしてふと気づく。

 待てよ。

 ってことは、せめて、一、二ヶ月はラブラブなフリを役員たちの前ではしなければならないということか?

 ……ラブラブ。

 どうしたら、ラブラブに見えるんだろうな。

 誰とも付き合ったこともないのでわからないな、と思いながら、光一はスマホに手を伸ばし、ラブラブで検索してしまう。

 わからないことがあると、検索する癖がついているからだ。

 『ずっとラブラブで居るには』か。

 関係ないな。

 自分には縁のない言葉が並ぶ画面をスクロールしていると、

 彼女とラブラブデートコース、というのが出てきた。

 ふうん、と眺めていたが、内線電話が鳴ってハッとする。

 慌ててスマホを投げるように置いた。

 この俺が仕事中に余計なことを考えるとは、と思いながら、急いで電話に出る。

「はい、(たつみ)です」