ウエディングドレスを着せてやろう

 お笑いをやっている。

 ひな壇芸人さんたちの笑い声が、広い部屋の中に響き渡った。

 無言で光一がチャンネルを変える。

 やたらテンションの高い人が通販番組でしゃべっていた。

 無言で光一がチャンネルを変える。

 今度は、そこそこのテンションの人が通販番組でしゃべっていた。

 光一はまた無言でチャンネルを変える。

 だが、そこでもまた通販番組をやっていた。

 夜遅くなると通販番組が増えるよな~と思いながら、花鈴は言った。

「お義姉さんが、子どもが夜寝ないので、仕方なく起きてテレビをつけていると、ほとんどが通販番組で。

 寝不足でかなり脳をやられているので、訳のわからないものをお買い得だっ、と思って買ってしまい、朝、いつも後悔しているそうです」

 同じものが何故か何個もついてくる不思議な商法を眺めながら、そう機械的に呟くと、

「そうか……」
と言って光一はテレビを切った。