ウエディングドレスを着せてやろう

 


「あんた、誰か決まった相手でも居るの?」

 家に帰った途端、仙子がそんな電話をしてきた。

「いや、居ないけど?」
とベッドに腰掛けながら花鈴が言うと、

「一生懸命、イケメン宮地がアプローチしてんのに全無視だったじゃん」
と仙子は言い出す。

「アプローチ?
 されてたっけ?」
と言って、

「……やはり、まず、そこからか」
と呟かれてしまった。

「ともかくさあ。
 新崎がまたあんたと宮地を会わせてやってって言ってきたから、またみんなで呑みに行こうよ。

 何度か会ってみて、それから決めればいいじゃない。

 他にいい人居ないんでしょ?」

 みんなで呑むのは嫌いではない。

 うんうん、と適当な返事をしながら、なんとなくベッドの下を覗いてみる。

 その薄暗い空間の奥の方、白い大きな箱がうっすら見えた。