ウエディングドレスを着せてやろう

 


 しばらくみんなで楽しく呑んでいると、尚人がなにかの話の流れで花鈴に言ってきた。

「でもさ。
 一番の難関なのに、そこ一校しか受からないとか、一社しか受からないとか。

 きっとなにかの運命なんだよ」

 運命……。

 なんの運命なんだろうな。

 冷えたジョッキを手に花鈴は思う。

 過去のうっかりを思い出させるための運命か。

 あの人には、もう二度と会うこともないと思っていたのに。

 というか、あまりにも信じられない出来事だったので、夢だったのではないかと思っていたのに。

 いや、そのわりには、しっかりベッドの下にあの箱があるんだが……。

 親に部屋の中を勝手に掃除されたりしないよう、あれから、常に部屋の中はきちんと片付いている。

 それだけがよかったことかな、と思っていると、いつの間にか隣に座っていた尚人が言ってきた。

「卒業して何年も会ってなかったのに、なにかの縁で出会ったりするのも運命かなと思うんだけど」

「そういえば、そうだね~。
 じゃあ、みんなで再会できたことに乾杯ー」
と笑って言って、仙子に何故か、

「いやいやいやいや。
 そうじゃないでしょっ」
と呆れたように言われてしまった。