ウエディングドレスを着せてやろう

 



「サンダルッ。
 そうだ、サンダルですよっ」
とまだまだ、しりとりを続けながら、花鈴たちは玄関ホールに入った。

「サンダル、食べられないだろう」

「あら、食べた人、見たことあるわよ」

 えっ? と二人は振り返る。

 どんなすごいお母さんなんだろうと想像を巡らせていたが、本当にすごい感じの人が玄関ホールに現れた。

 たまに読む高級感溢れる雑誌には、とても買えそうにない値段の服ばかり出ている。

 リゾートでくつろぎの服とか書かれていても、なにもくつろげそうにないな~と思ってしまう(たぐ)いの服とか。

 だが、今、まさにそんな感じの服を着ている女性が目の前に居た。

「なにやってるの、貴方たち。
 ああ、花鈴さん、私は光一の母、満里奈(まりな)です」

 そう彼女に名乗られ、花鈴はようやく正気に戻る。