ウエディングドレスを着せてやろう

「そ、走馬灯のように小学生のときの私の思い出が過ぎりますっ」

 死にそうです、助けてっ、と花鈴は叫んだが、
「小学生のときしか回ってないのなら、走馬灯じゃないだろう」
と言われる。

 そ、そうですね。
 そういえば、ホームセンターで可愛い枕を買ったところから、此処に枕をポンポン叩きながら重ねておいたところを行ったり来たりしているだけです、と気づいた花鈴の顔のすぐ前に光一の顔があった。

「いいか。
 おとなしくしてろ。

 騒ぐと誰か来る」

 いや、貴方、誘拐犯か、立てこもり犯ですか。

 っていうか、下の人たちは私がなにを騒いでも助けてくれそうにないんですけどっ、と思う花鈴に光一が囁く。

「……大丈夫だ。
 なにも怖くはない。

 時間がないから……

 キスするだけだ」

 そう言う唇がすでに近く。

 光一が話している間に、時折、軽く触れていた。