ウエディングドレスを着せてやろう

「いえ、私、すっごくお気に入りのパジャマがあって。
 ずっと着てたんですけど。

 ほら、長く着てると、すごく布が柔らかくなって肌触りが良くなるじゃないですか。

 でも、ある朝、うちの親に、
『あんた、ケモノに襲われたみたいになってるわよ』
 って言われて、鏡に映して見てみたら、背中をケモノの爪で引き裂かれたみたいになってたんです」

 でも、あのくらいが気持ちいいんですよね~と言う花鈴に光一が訊いてくる。

「……まさか、そのまま着続けたのか?」

「いえいえ。
 予備のパジャマがあったので、そちらを着るようになったんですが。

 これもまた、何故か、たいして着ないうちに、また背中をケモノに襲われたみたいになって――」

「それはお前の寝相に問題があるという話では……?」

 どんな寝相だ、と言われてしまう。

「いえいえ、本当にただ布が()ちただけですよ」
と花鈴は言い訳をしてみた。