ウエディングドレスを着せてやろう

「あの毛布じゃなくても。
 お前と二人で(くる)まっているだけで、俺には幸せのもふもふ毛布だ」

 専務……。

「どんなゴワゴワの、ボロボロの毛布でも、俺には幸せの毛布だ」

 沈黙して自分がかけられている毛布を見た花鈴に、光一は言う。

「いや、これがゴワゴワで、ボロボロだと言ってるんじゃない」

 物の例えですよね。
 わかります。

 でも……と思いながら、花鈴は言った。

「でも、そういえば、ボロボロで、ケモノに襲われたようなパジャマとか気持ちいいですよね」

「……なんだって?」

「ケモノに襲われたパジャマ、気持ちいいですよね」
と花鈴は繰り返す。

 いや、なんだって? と言われたので、繰り返しただけだ。

 別に同意を強要しているわけではない。