「いやあ、光一くんは真面目でいい青年だ」
花鈴はすっかり光一が気に入ったらしい父親を眺めながら思う。
此処は本当にうちの庭だろうか、と。
庭には何故かシェフたちが来ていて、ホテルの朝食のようなビュッフェが展開されていた。
「いや、なんだかわからないが、高倉さんがお前に、おはようと言いに行けと言ってくれたんだが。
いきなり、朝訪ねるのも失礼だな、と思って。
せめて手土産を、と思っていたら、高倉さんが幾つか用意してくださってたので、その中から選んでみた」
いや、手に持てそうにないんですけど、この手土産、と花鈴はシェフやボーイたちを見る。
次は楽団でも出てきて演奏しそうな感じだった。
「でも、タイミングによってはお母さんが料理を作ってしまうだろうから、どうしようかと思ってたんだが。
高倉さんが、お父さんが早朝ウォーキングをされていると教えてくれたので、待ち伏せして、お母さんに伝えてもらったんだ」
そ、それはそれは……。
高倉さん、何者なんだ、と感謝しつつも不思議に思う。



