ウエディングドレスを着せてやろう

 ()られるっ!
と尚成は身構えた。

 だが、塀の陰から出てきた男は、長身ですっきりとした男前だった。

 感じも悪くない。

 なんとなく、花鈴が好きそうなタイプだな、と思ったとき、その男が言った。

「お父さんですか?」

 いや、こんな息子を産んだ覚えはない、と思ったが、すぐに思い当たる。

 これはもしや、娘のどちらかの彼氏なのか?

 何故、早朝、待ち構えていたのかは知らないが。

 巽光一(たつみ こういち)と名乗ったその男は、神妙な顔で謝ってきた。