ウエディングドレスを着せてやろう

「お招きって?」
と花鈴が問うと、

「お前の彼氏がすごい朝食を持ってきてくれたから、お招きいただいたんだろ?」
と智也は言う。

 なるほど。

 薄いカーテンの向こう、庭で、なにかがスタンバイしているのが見える、と花鈴が窺っていると、志木子が機嫌よく言ってきた。

「お見合い相手の方もいい方だけど。
 お見合い相手の親戚の方もいい方ねー」

 お見合い相手の親戚の方もいい方ねっての、なんか変ですが……、
と思う花鈴の前で、朝食を作らなくて済んだ母はご機嫌だった。

「いやあのー、どうやって母に連絡とったんですか?
 朝食作らなくていいと」

 そう花鈴は訊いてみた。

 そうでなければ、せっかく朝食を作ったところに、美味しい料理がやってきて、全部無駄になる可能性もあったはずだ。

 志木子がご機嫌なわけはない。