ウエディングドレスを着せてやろう

 


「光一様」

 ふいに呼びかけられ、光一は目を覚ました。

 目の前に田畑の顔があり、ひっ、と息を飲む。

 明かりもつけずに田畑が自分の顔を覗き込んでいたようだ。

「高倉さんから伝言です」

「今か?
 狼煙(のろし)でも上がったのか?」
と寝ぼけたまま言うと、

「なに言ってんですか。
 今の世の中、そんなものが上がってたら、いろんなものが飛んできますよ。

 消防署とか警察とか、役所とか」
と田畑は言う。