ウエディングドレスを着せてやろう

「無理なお願いをした礼に渡したかったんだが。
 お前が受け取らなかったから」

 銀行に入れていたら、利息がついたはずだが……とか庶民的なことを思ってしまう。

 っていうか、貴方、三百万持ち歩いてるんですか、と思ったが、花鈴がいろいろ着てみたりお店の人と話している間に、下ろしてきていたらしい。

 ドレスはまだ黄ばんではいなかった。

「着てみるか」

 何故っ? と見上げる。

「……見たいから」
と光一は言ってきた。

 いやいやいや。
 恥ずかしいではないですかっ、と花鈴は俯く。

 あのときは特に恥ずかしくもなかったのに、今は恥ずかしい。

「……あの、箱を開けずに捨てろとおっしゃいましたが、この三百万も捨てるおつもりだったんですか?」