花鈴たちがそんな風に行き詰まっている頃。
「高倉さん、次、なに頼みます?」
愛はちょっと狙っている高倉に、微笑みながら、メニューを差し出していた。
「ありがとうございます」
と微笑む高倉がさっきまで見ていた方を愛も窺ってみる。
「あ、花鈴たちの方見てたんですね」
と笑うと、
「そうなんですよ。
今が一番いいときなんだろうなと思って」
と高倉は言う。
「そうですねー。
ああいう落ち着かない感じも後から思い出すと、いい思い出ですよね。
高倉さん、どうですか?
私と落ち着かない気分になってみませんか?」
と酒の勢いもあり、積極的に言ってみた。
高倉は、
「それは嬉しいお誘いですが。
でも、先程から、あちらのテーブルの方が、チラチラ愛さんを見てますよ」
と離れたテーブルを視線で示してきた。
えっ?
と愛は振り向く。



