ウエディングドレスを着せてやろう

「ところで、それは興味深い話ではあるんだが。
 お前は何故、今、その話をする……」

 確かにムーディな店でする話ではないな、と思いはしたが。

 いやいや、会話が途切れるのが怖いからですよ。

 そして、目の前にエスカルゴが居るからですよ、と花鈴は思っていた。

 背中に貝っぽいものを背負っていることからの連想だ。

 うーむ。
 恋愛って、ときめいて楽しいものだと思っていたんだが。

 いや、そういうときも確かに多いんだけど。

 今、此処で私はどうしたらっ?
 って落ち着かなくなることも多いよな~と花鈴は困っていた。

 そんな花鈴の目の前で、光一もなにやら困っている。

 どちらかが恋の達人だったら、スルスル物事は進んだのかもしれないが。

 困ったことに、どちらも、なんの達人でもなかった。