ウエディングドレスを着せてやろう

 


 姉たちが去ったあと、花鈴たちは時折、夜景を眺めたり、詩織たちの方を見たりしながら食事をしていた。

「そういえば、兄がまだ実家に居た頃、夜遅くに電話してきたんですよ。

『……死体を始末してから帰る』
 って。

 ぶつっと電話は切れて、兄はなかなか帰ってきませんでした」

 光一が食べる手を止め、こちらを見る。

「供養したあと、もう帰っているみんなに連絡するか迷ったそうです。
 職場で飼ってるヤドカリが死んだって」

「……お前の話だから、なにかオチがあるんだろうと思って聞いていたが。
 そういう心構えがないと怖いからな、その話」

 人に語るときは気をつけろ、と光一は言った。