ウエディングドレスを着せてやろう

「高倉さんと三人でお話ししてたんだけど。
 なにかこう、素敵だなと思って、田畑さん」

 ……それは高倉さんになにか誘導されたのでは、と花鈴はチラと高倉を窺う。

 怪しい術とか使ってきそうな人だからだ。

 高倉は微笑みながら、みんなの話に頷いているようだった。

 田畑が照れたように言ってくる。

「いや、実は私、幼い頃は山の中に隠れ住んでいましてね。
 今風な生活にずっと憧れていたんですよ。

 それで、チャラい感じになってみたかったんだって話とかをしてるうちに、椿さんがわかるわかるって」

 ……田畑さん、何者なんですか。

 そして、なにがわかったんですか、姉、と思っている今も、椿はうっとりと田畑を見て、

「わかるわかる」
と繰り返している。

 これはこれでいいコンビかも。

 一瞬前まで、高倉さんがいいとか言ってた気もするが……、
と思いながら、店員さんに断って、別のテーブルに向かう二人を見送った。

「……人の気持ちというのは、あのように(はかな)いものなのですね」
と呟きながら。