ウエディングドレスを着せてやろう

 花鈴は前菜を食べたあとで、窓の外を見、訊いてみる。

「ところで、この店は何故、回転しているのですかね?」

 最上階にあるこの店全体が回っているのだ。

「夜景を見るためなんじゃないか?」

「テーブルも回したくなりますね」
とうっかり言って、

「コーヒーカップじゃないんだぞ」
 お前は遊園地の方がよかったか、と言われてしまった。

 向こうのテーブルを見ると、姉はニュー田畑と高倉との間に座っていた。

 いや、ニューじゃなくて、最初からあっちが田畑だったようなのだが。

「……田畑さん、ちょっとイメージが違うんですけど。
 高倉さんみたいなイメージだったんですが」
と今風で軽そうに見える田畑を見て言うと、

「いや、仕事中は高倉さんと似た感じなんだがな」
と光一も意外そうに言う。

 椿は少し困ったように二人と話していた。