「それで、田畑さんのことを長身で少し日焼けしたイケメンだって言ったとき、ん? って顔されたんですね」
席に着いたあとで、花鈴は光一にそう言った。
実際の田畑は長身でイケメンだが、色白だ。
そして、ちょっとチャラい感じだ。
田畑と高倉が居る方を見ながら花鈴は光一に訊いてみた。
「ところで、コンパのはずなのに、我々の席が外れているのは何故なんですか?」
花鈴はちょっと離れたテーブルで楽しそうにしているみんなを恨めしそうに眺める。
「誰かが気を利かせたんじゃないのか?」
と光一は言うが。
いや、席を取ったのは専務では? と思っていたのだが、黙っていた。
実は、花鈴が、みんなが専務をいいと言ったらどうしよう、と思っていたのと同じように、光一もまた、みんなが花鈴をいいと言い出したらどうしよう、と日々、悩み、みんなと自分たちの席を離してしまったのだ。
いや、一応隣ではあるのだが。
通路代わりの広い空間が詩織たちとの間にあった。
此処は光一が仕事で、よく使う店なので、席も指定しておいたのだ。
花鈴はそんな光一の思惑は知らなかったが、ちょっと寂しいが、まあ専務とゆっくり話せるからいいかととりあえず、納得した。
ちなみに、一番二人の障害になりそうな安芸は仕事が押していて、遅れてくるようだった。



