ウエディングドレスを着せてやろう

「あー、ごめんごめん」
と仙子も母と同じ調子で謝ってくる。

「あんたに漫画返すの忘れてたわーと思いながら、家の前通ったんで。
 LINEしてたから、あんた居ないのわかってたんだけど、漫画返そうと思って。

 そしたら、お母さんが、さっきもう帰ってきそうなメールがあったから、待ってたら? って言うからさ。

 待ってたんだけど。
 漫画読んでるうちに、時が経つのを忘れてた」
と仙子は笑う。

 ……うちの親は、なににより忘れてたんだろうな。

 テレビかな。

 下から聞こえてくる笑い声に花鈴は思う。

「で、どうだったの? デート」