ちょっと信じられないな、と西辻花鈴(にしつじ かりん)は思っていた。

 就職活動中、たくさんの会社を受けたが、此処はまあ無理だろうと思った会社だけが最終面接までたどり着けたからだ。

 しかも、証明写真が足らなくなったので、一番最初にスピード写真で撮って、これはないなあ、と思ったのを貼って出したのに。

 世の中、なにが起こるかわからないもんだ、と花鈴は降って湧いたような幸運を喜んでいた。

 最終面接のこの日までは――。