ウエディングドレスを着せてやろう

「しっ、失礼しますっ」

「ああ、失礼しろっ」
とよくわからないことを言い合ったあとで、花鈴は動揺しつつも外に出た。

 それと同時に専務室の方から、がしゃんっ、という軽い音が響いてきた。

 専務、なにやってるんですか……。

 なにかひっくり返したのかもしれない。

 秘書としては戻るべきだと思いながらも、足は止まらず。

 専務室に戻るどころか、秘書室さえも通り過ぎてしまった――。