ウエディングドレスを着せてやろう


 


 朝、ロッカールームで、もふもふしかけた手を花鈴は止めた。

「どうしたのよ。
 やらないの?」
とそれを見ていた詩織が訊いてくる。

「いや~、私、今日、自分からLINEするって専務に言っちゃったんですよね~」

 いや、実際に言っちゃったのは、兄なのだが。

「専務になに話したらいいですかね?
 なにかいいネタありませんか?」
と訊いてみたが、

「業務連絡でもしたら?」
とそっけなく言われる。

「なんだか段々、ラブラブカップルののろけを聞いてる気分になってきたわ~」
と呟き、詩織は出ていった。

 いやいや。
 何処もラブラブしてないじゃないですか、と思ったとき、違う先輩が入ってきたので、オハヨウゴザイマスと挨拶して、なんとか気持ちを切り替える。