ウエディングドレスを着せてやろう

「でもほら、こういうのもなにかの運命かもしれないし。
 ね?」
と穏やかな誠子に微笑まれている間に、勝手に智也と光一の間で話が進んでいた。

 いや、正確には、智也と田畑の間で進んでいたのだが……。

「『明日は私からLINEしますねー』」

 いやああああっ、とそのシメの言葉に花鈴は叫ぶ。

「なに言ってんのーっ」

「お前こそ、なに言ってんのだっ。
 ぐだぐだしてて、椿(つばき)のようになりたいかっ」

 椿は花鈴の姉なのだが、気は強いのに、こういうことには積極的でなく。

 相手が居ないわけでもないようなのだが、未だ、まとまっていない。

「男の俺が、こういう返事が来たらいいなと思う感じに打ち返したんだ、間違いないっ」

「でも、人には好みってものがあるじゃないっ。
 専……っ」

 危うく、専務って言うところだった~っ!
と花鈴は言葉を呑み込んだが、耳聡い智也が聞き逃すはずもなく、

「せん……。

 せん、なんだ?
 こいつの名前、光一だろ?

 まさか、先生かっ?
 かつての恩師とかっ?

 生徒に手を出すような先生かっ?」
とテンションが高くなる。

「違う違う違う。
 職場の人だって~」

「なんで、見合い相手の親戚が職場に居るんだ」