ウエディングドレスを着せてやろう

 慌てて奪い返したが、もう田畑は、こんばんは、というスタンプを送っていて、しかも、すぐに既読になっていた。

「ほら~、花鈴様もお待ちかねですよ。

 ……ま、貴方がもったいぶった言い方したので、ただただ気味悪がって構えてるだけかもしれませんけどね」

 だから、何故、それを知っているっ、と思っていると、それに気づいたように笑って言う。

「いやいや。
 たまたま、今、光一様の職場にちょうどいい情報網があるんですよね。

 私のではないんですが」
と言ってくる。

 誰のなんだ……。

「ほら、早く打たないと、とろくさい男だと思われますよ」
と田畑は画面を指差してくる。

 お前が勝手にスタンプ送ったからだろうが……。

 それも特に面白くもないようなスタンプだ。

 みんながスタンプを使うので、ひとつはダウンロードしておこうと思って、仕事関係で使えそうなのをダウンロードしただけの奴だ。

 光一は、こんばんは、と言っている無表情なパンダを見つめてみた。