ウエディングドレスを着せてやろう




「えーっ?
 まだ専務とぐだぐだしてんのっ?

 そこが上手くまとまらないと、コンパの話早くしてよっ!
 とか言えないじゃない!」

 言ってます、今……とリラクゼーションルームの例の区切られた場所で叫ぶ詩織に、花鈴は思う。

「あのー、なんで、そんなにコンパ、お急ぎなんですか?」

 自分で淹れてきたカプチーノを飲みながら、花鈴は訊いた。

「友だちの結婚式があるのよ!」

 はあ、それで? という顔をしていると、詩織に、

「そこに婚約指輪をつけていくか。
 彼氏に送り迎えしてもらうかしたいのっ。

 あんたも私くらいの歳になればわかるわよっ」
と顔を近づけ、睨まれる。

 花鈴は、
「でも、堀口さんくらい美人で仕事ができて、押しの強い人なら、別にそんなこと気にすることないと思いますけど」
とフォローを入れて、

「そこ、押しが強いはいらなくないっ?」
とまた睨まれた。