ウエディングドレスを着せてやろう

「そうだ、専務。
 いいお店見つけたんですよ。

 今度なにかおごるって言ったじゃないですか」

「お前、俺のいいところでいいって言わなかったか?」

「言いました。
 専務のいいところでいいです。

 で、いいところ見つけたんですよ」

「……何処なんだ」
と光一は言う。

 根負けしたようなその口調に、

 いやいや。
 此処を選べと言っているわけじゃなくて、こういうお店も素敵ですよねと言いたかっただけなんですが、と思いながら、

「此処です」
と花鈴はスマホを見せる。

 光一は花鈴の手にあるスマホに顔を近づけかけたが、引いた。

「専務、老眼ですか?」

「お前、俺を幾つだと思ってるんだ……」