ウエディングドレスを着せてやろう

 光一はようやく花鈴の前にたどり着き、トレーを置いた。

 花鈴がちょっと照れたようにペコリと頭を下げるが、その手にはもうデザートのゼリーがあった。

 待て。
 食べ終わるな。

 俺がどんな綱渡りで此処まで来たと思ってるっ、と思いながら、光一は言った。

「安芸さんとどんな話をしたって?」

「……さっき言いませんでしたっけ?」
と言った花鈴がゼリーを食べ終わり、スプーンを置いた。

 それを見た光一は、花鈴のトレーに自分の分のゼリーをどんと置く。

「やろう」

「は、はい……。
 ありがとうございます?」
と花鈴が不思議そうな顔でこちらを見上げた。