ウエディングドレスを着せてやろう

 


 昼休み。
 
 光一は社食に行ってみた。

 今日もいっぱいだな、と思いながら、視線で花鈴を探す。

 花鈴は壁際にある二人がけのテーブルで同期の子と食べていたようだが。

 その子は仕事で早く出なければならなかったのか、急いで食べて、じゃあね、と言って出て行ってしまったようだった。

 あ、空いた。

 西辻と同じテーブルがっ、と思ったが、まだトレーに料理がそろっていなかった。

 そのとき、男性社員たちのグループがやってきて、花鈴のテーブルの隣の広いテーブルに座ろうとした。

 だが、人数が多くて座り切れなかったようで、ひとりの男が花鈴に断って、彼女の前に座る。

 いやいやいや。
 他を探せ、と思いながら見ていると、

「専務。
 此処、空きますから、どうぞ」
と花鈴たちのテーブルから離れた位置に座っていた人事部長が声をかけてきた。