ウエディングドレスを着せてやろう

 いやいや。
 単に私だったら、わざわざ断らなくてもいいから喜んでるだけですよ、と思う花鈴に、

「座っていい?」
と前の席の椅子を引きながら安芸が訊いてくる。

 どうぞどうぞ、と見合い相手が安芸だったことに、改めて安堵しながら花鈴は言った。

「なんにする?」
とメニューを見せてくる安芸に、

「あっ、私はアフタヌーンティーセットでっ。
 自分で払いますからっ」
と身を乗り出すようにして言うと、安芸は笑って言ってきた。

「払わせないよ。
 今日は来てくれてありがとう。

 君で助かった」

「私も安芸さんで、ほんとよかったです」
と花鈴も微笑む。

 でもそうかー。

 安芸さん、モテそうだもんな。
 本当に見合いなんてしたら、相手の女性が乗り気になって、断るの大変かも。