ウエディングドレスを着せてやろう

「花鈴さんは、僕の……」

 親戚の妻ですよとか言わないだろうな、と花鈴はハラハラしていたが。

「僕の親戚の秘書をやってくれているので」
と言って、安芸は微笑む。

「あっ、そうだったんですか」
と西田は、ホッとしたように言った。

 あまり構えないように、ちょっとしたご紹介、という形をとっていたので、どちらも相手の名前も聞いてはいなかった。

 見合いというのを前面に打ち出すと、今の若い人は嫌がるからだそうだ。

「じゃあ、わざわざ、ご紹介するまでもなかったですね」
と西田は苦笑いして言ったが、安芸は、

「いえいえ。
 なかなかこうして、彼女とゆっくり話す機会もなかったので、ありがとうございます」
と微笑んで言う。

 その様子を見た西田が花鈴に小声で言ってきた。

「なんか脈ありそうじゃない。
 頑張ってね」

 では、と西田は機嫌よく去っていった。