ウエディングドレスを着せてやろう

 いや~、相手の人も乗り気でなくて、来ないとかじゃないんですかね?
と水を飲みながら花鈴は思う。

 このまま帰るのもいいけど。

 アフタヌーンティーセットは自腹で食べて帰ろう、とちょっとホッとしながら思ったとき、その人はやってきた。

「すみません。
 駅伝があったみたいで、交通規制に巻き込まれちゃって」

 そう言いながら、こちらを見る。

「おやおや。
 昨日、ニセの恋人役を頼んだのに断った人が何故か、此処に」
と言って、安芸は、にやっと笑った。

 驚いた様子がないところを見ると、ラウンジに入る前に、こちらを確認していたのだろう。

「あれ?
 お二人はお知り合いで?」
と西田が訊いている。