……いや、待て。
今の声……聞き覚えがある。
あの威嚇するような低い声。あれはたしか……。
俺の中に、ひとりの男が浮かんだ。
……西園寺、蓮……?
一度そう確信すると、西園寺の声にしか聞こえなくなった。
聞き間違い……いや、あんなおぞましい声、聞き間違えるはずがない。
どうしてサラが西園寺と一緒にいるんだ……っ。
まさか、そこが繋がっているなら――サラが俺の愚行を知っていることも、納得がいく。
俺はすぐに部屋を飛び出し、隣の鳳冬夜の部屋に向かった。
扉を叩くと、玄関の扉が開いた。
「何……? どんだけ叩くんだよ、インターホン鳴らせばいいのに……」
風呂上がりなのか、濡れた髪のまま迷惑そうな表情で出てきた冬夜。

