私と違う"好き"の形であることは一目瞭然だった。
だけどそれも君らしいやと思ってしまえば、失恋のはずなのに顔が綻んでしまう。
「ありがとう。でも早くしないと帰っちゃうんじゃない?」
「それはマズい! じゃ、行ってくる……またいつか会おうな」
「……うん、また会おうね!」
涙を全力で引っ込めてそう笑えば、今度こそ君は果てしなく遠いところへ歩いていった。
「……バカ、そういう意味じゃないよ」
呟いた言葉は桜の花びらと共に、散ってしまった。
溢れそうなものをこぼさないようにして、晴れやかな空を見上げた。
もう涙は流さない。
次にまた会える時には、
心から笑えるように──
*Fin*



