「おかえり。」


インターフォンを鳴らすと、大好きな声が返って来て、すぐにドアが開く。そしてパァッと表情を明るくしたあいつの顔が覗く。


「ただいま。」


「お疲れ様。」


ちょっと、はにかみながら、そう言った由夏は、俺がドアを閉めるのを待ちかねたように、身体を預けて来る。


もちろんしっかり抱き止めて、まずはあいつの感触をしっかり確かめると、そのまま差し出されるように、近付いて来る唇を思う存分に堪能する。


1分、2分・・・由夏がちょっと苦しそうにするから、少し離れると、火照ったような顔で俺を見上げているから、すぐにまたその唇をむさぼってやる。今度は少々なことでは、俺は離れることを許さない。


ようやく満足した俺が、由夏を解放すると


「寂しかった・・・聡志が帰って来て、嬉しい。」


なんて、また上目遣いで可愛いことを言いやがるから、もう堪らなくなる。


そのまま、その場に押し倒してしまおうとしてしまい


「だ、だめだよ。シャワーまだ浴びてないし、それにお夕飯の準備の途中だから。」


と慌てて言う由夏。


「夕飯なんかより、お前が先だ。」


だが、スイッチが入っちゃった俺は、あまりにも俗っぽい台詞を吐いて、先に進もうとするけど



「落ち着いて。昨日も言ったように、その今、危ないから・・・。」


言い難そうにそう言った由夏の言葉に、俺はハッと我に返った。


「だから、ちゃんと準備してからに、しよ。」


恥ずかしそうに、そう言った由夏を見て、急速に冷静になった。


「すまん、つい・・・。」


「ううん、私こそゴメンね。」


「由夏が謝る必要ねぇよ。だいたい、いくらなんでも、玄関先はねぇよな。本当にゴメン。」


と謝ると


「最近、聡志の変態ぶりには、ますます磨きがかかってるから。」


「なんだ、それ?」


「自覚ない?離れ離れになってから、加速度的に悪化してる気がする。」


と言って、いたずらっぽく俺の顔を覗き込んで来るから


「でも、そんな俺が嫌じゃないんだろ?」


「えっ?」


「昨夜のお前を見れば、わかる。」


と反撃してやる。すると、みるみる顔を赤らめたかと思うと


「バカ、知らない!」


と言って、俺を突き放すと、奥に走って逃げて行きやがった。ホント、可愛い奴だぜ。