2度目の週末デートが待ちきれない温子は純一にメールを送信した。

「お疲れ様です。お仕事は順調でしょうか?平日は残業ですか?」

純一はそのビジネスライクな文面に眼を走らせて顔をしかめた。

ちょうどデスクで帰り支度をしていたところだ。

もうちょっと甘い言葉が欲しいのに。

純一は気落ちしつつ返信せずに自宅へ向かった。

もちろん運転手付きの高級社用車で。

二人の兄は当然まだ帰宅しておらず

週の半ばでも深夜帰りが常である。

部屋で着替えていたらまたメールが入った。

「もし良かったら食事しませんか?」

この誘いなら即行で返信だ。

「温子さん、どこで待ち合わせましょうか?」

純一は外出着に着替え直してタクシーを呼んだ。

最寄り駅へ急ぎロータリーに降り立った。

いつでもどこへでも行ける状態でメールを待ち

受信と同時に改札口を通ってホームへ上がり

温子が指定してきた駅へ向かった。

「でも急にどうしたのだろう。週末仕事だったら残念だな。」

そう思いながら今夜二人で食事できることに胸が高鳴った。