「……あれ?」


俺の背中に寄りかかりながら、
俺を見上げた天野が

きょとんと目を丸くしている。


「わ、わっ! ご、ごめんっ!」


慌てて体を起こそうした
天野の胸の前で、

ゆっくりと両腕をクロスさせた。


「い、一ノ瀬くん?」


「天野」


「い、一ノ瀬くんっ! 
ど、どうしたの?」



ジタバタと暴れている天野を
抱える両手に

力を入れる。