翌日の放課後、

朝歌と叶奈ちゃんと一緒に帰っていると、
ふたりが正門とは逆の方向へと
足を向けた。


「あれ、どこ行くの?」


「サッカー部の見学だよ?」


「えっ?」


驚いて手にしていた、
サブバックを落としかけた。


「羽衣、
昨日のお昼に話してたの忘れたの?」


「鷹島先輩を見て
癒されようって話したじゃん!」


ええっ!

そうだったっけ⁈


断るタイミングを失ったまま、
ぐいぐいと腕を引かれて
グラウンドに向かった。


「羽衣、
そんなに顔を強張らせてどうしたの?」


「ううん、なんでもない、なんでもない!」


訝しむ朝歌にぶんぶんと、
首を横に振った。